亀 その4

Myocastoridae2005-07-13

 ペットは飼い主に似るという格言のとおりなのか、それとも亀本来のスペックなのかは分からないが、この亀どもの、武田信玄が見たら感心するほど山のごとき動かなさは、休日は基本的にずっと家でぼんやりしている自分から見てもさすがに目に余る。
 どのくらい酷いかというと、朝起きてちょっと様子を見ると水の中でボーッとしており、その三時間後に餌をやろうとしてもう一度覗き込むと、さっきと寸分たがわぬ場所で全く同じ方向を見ながら相変わらずボーッとしていたりするのである。そして実際にエサを投入しても、奴らは首を伸ばして届く範囲のエサにしか興味を抱かず、尻尾側に浮かぶエサについてはわざわざ自分が掬って移動させたり亀を回転させたりしなければならない。爬虫類なので夏は一番活発に動く季節のはずなのにこの有様。これで冬は半年近く冬眠したりするのだからもう何のために生きているのか分からない。そういえばこの存在理由の見つからなさもどことなく飼い主に似ている。あまりにも動きが少ないせいで、もうちょっと体を動かないと健康に悪いのではないか、とか、もうちょっと芸を覚えるとかしたほうが身のためなのではないか、などいろいろ心配になってきてしまう。もしかしたらニートの子供を持つ親の気分というのはこういうものなのだろうか。両親には悪いことをしたな。